映画「クロール 凶暴領域」ネタバレと感想 痛い!ピンチ!痛い!ピンチ!

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ここでは映画「クロール 凶暴領域」のストーリーや魅力を紹介しています。

 

クロール

凶暴領域

鬼に金棒ならぬ、ワニに水。

 

サバイバルスリラーとして期待値の高かった今作。

「ドント・ブリーズ」同様の予告編みてから本編見るとより楽しめる構造になっている。

ストーリー

主人公は水泳選手。

努力すれど中々良い成績を出せないで燻っている。

練習終わりに姉から電話が入る。

「お父さんが電話に出ないの、心配で。」

ちょうどその時、巨大なハリケーンが街を襲っていたのだ。

「わかった、私が様子を見てくるよ。」

避難指示が出ている地域に裏道を使って潜り込む。

父と母は離婚し、姉は遠くに住んでいる。

主人公は父としょっちゅう言い合いになる。

家族はバラバラ一歩手前だった。

父が1人で住むアパートに行くが犬のシュガーがいるだけだった。

そこで、以前家族で住んでいた家に行ってみることにした。

室内には誰もいない。

雨はさらに激しさを増す。

ガレージに行ってみると地下への扉が開いていた。

主人公は父を探すために仕方なく地下へ行く。

地下は部屋ではなくただの床下で四つん這いでやっと歩ける程度のスペースだった。

探していると奥に横たわった父を発見。

何かに引っ掻かれたような大きな傷。

そして、右足は折れて骨が飛び出していた。

一刻も早く助けを呼ぼうとするが、そこにはワニが潜んでいた。

どうやら地下から川へつながる水路を通って入ってきたようだ。

なんとか狭い場所に逃げ込む。

そこで父は意識を取り戻す。

主人公はワニがこっちを見ていないタイミングで地上へ行こうとするが、そこにもワニが!

実はワニは2匹いたのだ。

2匹目に主人公は足を強く噛まれ、傷を負う。

地下から外を見てみると向かいのガソリンスタンドに人がいるのが見えた。

実はボートを使って移動し、強盗を働いていた若者だった。

そのうちの1人が主人公たちに気づいたが、腰まで来ていた水にワニが潜んでいることは知らなかった。

あっけなく若者は全員、ワニの餌となった。

水かさはどんどん増している。

その時、警察が避難が完了しているかの確認でやってくる。

地下に人がいることを知った警察は仲間を呼ぼうとした瞬間、ワニに食われてしまう。

これはもう別の出口を探さないとけない。

主人公は得意の水泳を活かし、ワニが入ってきた水路を泳いで外へ出る。

川にはワニが何匹もいたが、なんとか川をでて家に入った。

地下に残っている父、やっと息ができるくらいまで水が増していた。

家に戻った主人公は一階の床を工具で剥がし、なんとか父を助け出す。

若者のボートで逃げられる。

そう考えた2人は腰まできている水をかき分けてガソリンスタンドへ向かう。

音を立てなければワニは気づかないのでゆっくり歩く。

ブオーーーーーーーーーン!!

川が氾濫する警報音が街に鳴り響く。

時間がない。

一か八か、主人公の水泳能力に賭ける。

主人公はクロールでボートへ向かう。

ワニが一斉に主人公へ向かって行くが、間一髪でボートに乗り込む。

父と犬もボートに乗せたその瞬間、川が氾濫し濁流が押し寄せる。

せっかく家から抜け出してボートに乗ったのに、押し流されて窓を突き破り家の中へ戻される。

そこにまたワニが登場。

父は右腕を折られたが、なんとか主人公と犬と屋上へ。

そこへ救援のヘリコプターがやってくる。

必死で助けを求め、救助用のカゴが降りてくる。

端的ネタバレ 

巨大ハリケーンが街を襲う。

主人公は連絡の取れない父を探しに実家へ行く。

地下で怪我をした父を見つけるがそこにはワニもいた。

水位が上がる中ワニと格闘し、命からがら救助される。

感想

これ以上にハラハラできる映画は中々ないです。

自然災害系と猛獣系のダブルパンチで休む暇がありません。

87分がちょうどよい。

①予告の上手な使い方。

傑作スリラー映画「ドント・ブリーズ」でもそうでしたが、「予告編ありきで本編がある」という構図がうまく働いています。

ドント・ブリーズの場合は「強盗VS盲目老人」というシンプルな構図をミスリードしておいて本編で逆転させる手法が見事でした。

つまり、予告を見ているとうまい具合に騙されるのでより面白くなるのです。

今作の予告編だと「主人公が巨大ハリケーンに巻き込まれてワニと戦う」というシンプルかつ興味をそそられるものになっています。

からの「父を助けるストーリー」に上手いこと変わっていきます。

それにより「サバイバル映画」より濃い内容の「脱出映画」になります。

同時にハラハラ感も増します。

②裏ストーリー。

これはあまり言いたくない単語なのですが、家族の確執があると前置きした上で家族の強い絆を描いている映画です。

ただ、実はホラーやスリラーという映画の面白いところはそこにあります。

メインでは「恐怖」や「痛み」を描きますが、それは本当の「希望」や「愛」があるからこそ成立します。

襲う側は心のない一方的な押し付けでやってくる。

その時、守る側にはそれ相応の動機が自動的に発動します。

主人公や登場人物は自分でもそのことに気づいていないので「自分を知る」という形で終盤に向かっていきます。

だからこそ「怖い」し「痛い」のです。

希望を持っているからこそ逃げようとするし、絆があるからこそ戦おうとする。

③家族ってめんどくさい。

日本でも「家族という病」という本が話題となりました。

現代では「家族」というのは輝かしい目標ではなく、どこか面倒で心のどこかで「不要」とさえ思っているのかもしれません。

主人公の家族はすでに(適度に)バラバラです。

過去に囚われて変わらない頑固者の父。

パリで新しい男と暮らして連絡もしてこない母。

子供もいて幸せそうな姉。

強くて頑固な主人公。

劇中でも登場しますが「父と主人公」「姉と母」は似た者同士だという話が出てきます。

特に父と主人公は同族嫌悪なのか距離を取ってしまっています。

ただ、ワニに殺されそうだという極限状態での話は相手が本音を言い、心から会話を聞いているので気持ちいいくらいに誤解が溶けていきます。

家族はめんどくさい、だけど素晴らしい。

片一方では豆粒脳みそのワニと戦い、片一方では心溢れる家族の物語が展開する。

このストーリーの二面性を短い時間にギュッと閉じ込めるので濃厚な映画に仕上がったのだと思います。

まとめ

毎回言ってると思うのですが、タイトルどうにかなりませんかね。

どこかB級感を持たせようとしているのか、どうなのか。

元のタイトル「クロール」だけでは確かに弱い。

だけど「凶暴領域」って結構B級ワードだと思うんですよ。

だとしても、内容が最高だから良しとしましょう!

こんな映画をもっと見たい。

痛いのが苦手な人は要注意。

おすすめワニ映画

「ザ・プール」

「ブラック・ウォーター」

この記事を書いた人

tetsugakuman

tetsugakuman

基本的にはダークな映画を好む。
スリラーバイオレンスホラーミステリーサバイバルSFアクションなど。