おすすめ大人のアニメ映画10選 終わりのない青春。

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ここではアニメの中でもシリアスな雰囲気漂う大人向けの作品を厳選して10作品紹介しています。

僕が思春期の頃好きだった作品が大半なのでもちろん大人じゃなくても楽しめます。

ただ、全体的に会話が多かったり難しかったり、暗かったり。 そういう作品を紹介したいと思います。

1.機動警察パトレイバー2 the Movie

主人公はだれだ?

戦闘機が突如東京に現れ、一発のミサイルで橋を破壊する。

自衛隊のクーデターを恐れ警察が駐屯地を封鎖、異常な緊張感に包まれる。

しかし、在日米軍の圧力もあり政府は事件の責任を警察に押し付ける。

そのため首都東京の治安維持のため自衛隊が治安出動する。

犯人とその狙いを追うべく、切れ者課長の後藤と公安が動きだす。

パトレイバーの劇場版二作目。

これだけ見ても十分楽しめます。

(個人的に僕の人生の中でもトップ3に入る名作です。)

後藤隊長のユーモラスな感じと演出が面白い。

長台詞の内容が淡々としているが、非常に深い。

「そんなきなくさい平和でも、それを守るのが俺たちの仕事さ。 不正義の平和だろうと、正義の戦争より、よほどましだ。」

押井守監督のカラーが全面に出ている、音楽も重くて最高だ。

防衛とか治安維持とか東京で戦争とか、考えると怖くもなる。

ちなみに一作目はしっかり隊員が出ているが、三作目ではほとんど出てこない。

2.GHOST IN THE SHELL

私はどこまでが私で、私という意識はどこからやってくるのか。

他人の電脳をハッキングして乗っ取る凄腕ハッカー「人形使い」が日本に入国した。

公安9課はその犯人を追い始める。

「人形遣い」が逃げ込んだ義体を手にいれた9課は「脳」のないそれに「意識」が宿っているのか調べようとする。

ストーリーが説明不足だとは思いますが、説明すると膨大なんです。

この作品の楽しみ方は「知ったふりをする」です。

「電脳に枝を張るね、へー」「ゴーストハックして乗っ取る手口ね、うんうん」

と、わからないことがあってもやり過ごしましょう。

この「知ったふりをする」のが楽しいし、気が向いたら調べるのも楽しい。

主人公たちはほとんどサイボーグなのですが、それゆえ哲学的な問題にも直面する。

「私はどこまで私なのか」「意識はどこから来るのか」などなど。

まさに「テセウスの船」ですね。

続編「イノセンス」はもっと難解です。

3.人狼

とびっきり暗くて、とびっきりバッドな、とびっきり忘れられない物語。

第二次世界大戦後の日本。

そこはデモや過激派と警察との終わりのない武装闘争が繰り広げられていた。

主人公は「首都圏治安警察機構」に所属する。

過激派だった少女の自爆を許し、査問会で責任を問われる。

その少女の姉と主人公が出会った時、奇妙な関係が始まる。

主人公は情緒面に難有り。但し、射撃、格闘技、ストーキングなど、あらゆる戦闘技術に抜群の技量を有するのだ。

要は「コミュニケーションが苦手」なのだが、そんな奴でも「少女の自爆」は理解の範疇を超えたのだろう。

というか、ただ言われたとおりに生きている主人公には「動機あるもの」は不可解なのだろうと思う。

否、少女の動機というより少女を使う使われる動機かな。

悲しい音楽と暗い展開と少女のちょっとした明るさを全身に浴びてラストを迎える。

そう、あの「ラスト」だ。

4.風の谷のナウシカ

王蟲と巨神兵と腐海、八方塞がりでも終末ではない。

巨神兵により焼き尽くされた世界。

巨大な虫と死の森、酸の海に囲まれた風の谷でナウシカは生きていた。

しかし、巨大な国家は眠っていた巨神兵を見つけ、人間の繁栄を取り戻そうとする。

宮崎駿原作で監督としての長編アニメとしては二作目。

監督の感性が全面的に発揮されている、虫の造形や飛行機が特にそうだ。

でも、難しいことは考えずに「ユパ様かっこいい」「巨神兵強すぎ」「王蟲怖い」でいいと思います。

散りばめられている話を追うのも楽しいですね。

風の谷に不時着した飛行機に乗っていたペジテの姫君の胸に何があったのかとか。

「日の七日間」は庵野監督の特撮映画「巨神兵、東京に現る」でも描かれています。

ちなみに、この作品はスタジオジブリができる前の作品です。

5.AKIRA

2020年のオリンピック目前の東京、否、NEO東京。

荒廃から再生したNEO東京で職業訓練校に通っている主人公。

仲間たちとバイクで暴走していると目の前に謎の少年が現れ友人が事故を起こす。

現れた怪しい組織に友人が連れ去られたので主人公は救出へ向かう。

アキラ君のストーリーではありません。

主人公は金田、友人は鉄雄です。

初めて見たときは「アキラってだれ?」ってずっと思ってました。

海外で高く評価されたジャパニメーションの金字塔です。

これを見た後に「レディー・プレイヤー・ワン」見ると楽しいですよ。

6.うる星やつら2 ビューティフルドリーマーズ

一番楽しいのって学園祭じゃなくて、学園祭前日だよね。

学園祭前日が永遠に繰り返しているのではないかと気づいた教師。

強制的に帰宅させられる主人公たち。

街から出られないのでおかしいと思ったら、その街以外の世界はなくなっていた。

しかし電気もガスも食料も供給されている。

永遠に繰り返されるパラダイスのような日々の原因は?

押井監督の真骨頂はここにあり。

話し出すと魅力が止まらない作品。

一つだけ紹介すると「学校は何階建てなのか問題」があります。

そこに注意して見てみてください。

謎のチンドン屋さん、風鈴、戦車。

そして、何かがおかしいと気づいていく主人公たち。

でも、それが素敵なパラダイスだった場合「それでいいじゃないか」となるだろうか。

原作者はこの作品を「うる星やつらじゃない」と言ったそうです。

もし「最高の一日」が永遠に繰り返すならどの日がいいだろうか。

「夏休み前日」かな。

7.パプリカ

夢の中って摩訶不思議。覗き見注意。

夢を他人と共有出来る装置が開発される。

治療に使われていたのだがそれは盗まれてしまう。

他人の夢に入り込めるので悪用されると大変なことになる。

犯人はだれなのか。

そして、夢と現実の境が曖昧になっていく。

摩訶不思議な不思議なだけに説明も難しい。

序盤は現実部分と夢の部分がはっきり分かれている。

夢の中での描写は「歓喜」でもあり「狂気」でもある。

その映像がすごい。

犯人とトラウマと様々なものがぐるぐるにまわりこむ。

賞味期限を気にする無頼の輩は花電車の進む道にさながらシミとなってはばかることはない。

みたいな、感じです。

現実の自分と夢の中の自分が果たして同じ人間なのだろうか。

夢の中にいる方が本当の自分なのかもしれない。

難しい話としっかりした展開なので見ても大丈夫です。

あと平沢進の音楽が摩訶不思議感に拍車をかけてますね、素敵です。

8.涼宮ハルヒの消失

この終わりのない毎日を、俺は「楽しい」と思わなかったのだろうか。

12月18日、朝起きて学校へ行くと居るはずの部員の問題児がいない。

消えてしまった問題児を探して部室へ向かうと他の部員がいたがその問題児を「知らない」という。

なんとか問題児を探し出すが別の学校に居て、しかも主人公を「知らない」のだ。

全ての原因を探して主人公が奔走する。

毛色の違う作品かもしれませんが、非常にしっかりしたテーマがあるんです。

まずテレビ版と、さらにエンドレスエイトを見た上でじゃないと深みが出ません。

主人公は夢もなく、期待も予感もなく、ただ毎日を過ごしていた。

問題児は「世界を思い通りに変えてしまう」能力を持っているが本人は気づいていない。

この問題児の願いは「宇宙人や超能力者や未来人と楽しく過ごすこと」だ。

なので部員は宇宙人と超能力者と未来人なのだ(普通に見えるけど)。

映画の世界はそんなヘンテコな世界ではなく「まともな世界」へ変わっていた。

ヘンテコな世界に振り回されていた主人公は「普通の世界」を望んでいたのだからそれが叶ったのだけど、じゃあ元々の「ヘンテコな世界」へは帰ら(戻さ)なくていいのか。

9.新世紀エヴァンゲリオン DEATH (TRUE)2

あなたの望む世界は、素敵ですか。

作品説明が難しいのですが、テレビ版放送後に発表された劇場版が間に合わなかった。

そのためダイジェストと新しいカットを織り交ぜた作品「DEATH (TRUE)2」になる。

その後、正式な劇場版「AIR/まごころを、君に」が完成する。

どちらも素晴らしいのですが、僕は特に「DEATH (TRUE)2」が好きです。

学校のシーンとクラシック、カノン。

安らぎと混沌の作品がなぜか居心地がいいんです。

そして「AIR/まごころを、君に」で心にさよならをする。

気軽には見れないですが、いつまでも見たい作品でもあります。

新劇場版も好きですが、特にということで選びました。

10.パーフェクトブルー


本当の自分とは、どれ、どこ、なに、いつ。

アイドルグループを卒業し女優へ転向した主人公。

しかし仕事は少なく、脇役やレイプされる役などをやってしまう。

現状への不満を抱える主人公は自分になりすましたサイトがネットにあると知る。

そこにはアイドルのままでいるかの様な自分(になりすました)日記があった。

更新されるサイトを見るにつれ主人公は精神的に追い詰められていく。

よくアニメで、しかも初監督作品でこれが作れたなとびっくり。

海外では18禁に指定されている作品だ。

世紀末の日本で「ストーカー」や「ネット」などの新しい題材を使用している。

それまでは自分は「自分」だけだったけど、ネットでは「ネットの自分」もしくは「他人になっている自分」など複数存在できる。

それは「自分」というものへの疑心暗鬼の種である。

なりたい自分と求められている自分、現状の自分、ネットの自分、その狭間で苦悩する時代の幕開けを宣誓した様な作品だ。

まとめ

紹介していて気付いたのですが、これほど「個人」の趣向が分かれるジャンルはないかもしれませんね。

ほとんどが「押井守」「庵野秀明」「今敏」「宮崎駿」だ。

好きなんだからおすすめしたいのだ、それだけである。

「不穏」で「不安」な空気に是非、浸ってください。

「消失」だけ違ってるけど、しょうがないな、好きなんだから。

ほかの作品も違うテーマの時に紹介します。

そしてこの作品を10代で見た衝撃はすごかった。

この記事を書いた人

tetsugakuman

tetsugakuman

基本的にはダークな映画を好む。
スリラーバイオレンスホラーミステリーサバイバルSFアクションなど。