これがアフリカだ! 映画「ビースト」ネタバレと感想

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ここでは映画「ビースト」のストーリーやネタバレ、感想を紹介しています。

ビースト

ライオン、それは王。

アニマルパニック系なのか?

久しぶりに予算のかかった動物スリラー映画。

公開初日に見てきました。

ストーリー

ニューヨークからアフリカの広野へやってきた父と娘2人。

そこは母の故郷。

家族は絆を取り戻すために旅行に来たのだ。

到着翌日、父の友人と一緒にサファリツアーへ出かける。

初めは草食動物など安全な動物を色々と発見する。

そして、連れて行かれたのがライオンの生息する地域。

実は父の友人は古くから動物を密猟者から守る仕事をしていて、そこにいるライオンの雄と心を通わせていた。

ライオンとジャレ合う父の友人を見るが一同は遠くから見ているだけにしておく。

帰りにとある村へ寄ることになるが、行ってみると村人のほとんどが動物に惨殺されていた。

どう見てもライオンの仕業だった。

しかし、父の友人曰く「ライオンは食べるためにハントするが、これは殺すのが目的のようだ。」と。

急いでそのことを伝えに戻ろうとするが、途中で傷ついた村人を発見。

助けに行くとその村人が言う「ディアボロ(悪魔)だ・・・」。

友人は銃を持って近くにいるであろうライオンを探し始める。

父は医者なのでその村人を助けようとするが、できなかった。

友人の姿がないので父が探しに行くとなんとそこにはライオンがいて、こちらへ走ってくる。

父と娘2人は車で逃げようとするが、少し進んだところで木にぶつかって車は故障してしまう。

友人は無線機を持っていて車にいる父と交信するが、出血が多くもう助からないと悟っていた。

その上、友人の近くにはその様子を伺うライオンがいる。

どうやら友人を助けに来る他の人間を待っているようだった。

「絶対助けに来るな・・・」

そう言われるが、父はなんとか助けようとする。

するとそこへそのライオンがやってきて車に猛攻を加える。

隙を見て車の中にあった麻酔銃の弾をライオンの背中に刺し、ライオンは一時的に見えなくなる。

その間に友人を助けにいき、なんとか一命を取り止めることができた。

夜になり、ただ助けを待つだけだった。

そこへ車がやってくる。

「助けが来たのか!」と思ったらそれは違法な密猟者だった。

なんとかお金で解決しようとするが、父の友人を見て密猟者は顔色を変えて激昂する。

「こいつは俺たちの仲間を殺したやつだ!」と。

そして娘を連れ去ろうとしたその時、ライオンがやってくる。

密猟者は襲われ、全員が殺される。

父は密猟者の車を奪うため殺された密猟者を探して夜のサバンナへ出ていく。

車で待っていた娘2人だったが、そこへライオンがやってくる。

体当たりの衝撃で車は崖を落ちそうになり、娘2人は脱出するが友人とライオンと車は落ちてしまう。

落ちて負傷したライオンだったが、まだ息のある友人を食い殺そうと襲いかかる。

その時、友人は車から流れ出したガソリンに火をつけ自分もろとも車を爆発させ、ライオンを撃退する。

車の鍵を持って戻ってきた父と娘は密猟者の車でその場を離れる。

翌朝。

ガソリンが切れる前に負傷した姉の手当てをするために密猟者の隠れ家へ行ってみる。

医療キットなどを探していると炎でも死ななかったあのライオンが現れる。

父は娘たちを置いて1人ライオンをおびき寄せて荒野を走っていく。

そこでライオンと一騎討ちになるのだが、どう見ても勝ち目はない。

そこへ・・・

実はその場所は友人が戯れていたライオンのグループのテリトリーだった。

ライオンは自分のテリトリーへ入ってくる他のライオンを排除するため、父を襲っているライオンへ襲い掛かる。

ちょうどそのタイミングで友人お仲間が駆けつける。

目を開ける父親。

彼は病院のベッドに横になっていた。

娘も無事だった。

端的ネタバレ

母を癌でなくし、仲の悪くなった家族が母の故郷「アフリカ」へ旅行に出かける。

サバンナツアーの途中で村人がライオンに惨殺されているのを見つけるが自分たちも襲われてしまう。

麻酔銃で一時撃退したり密猟者に襲われたりするが最後は父親とライオンの一騎討ちになる。

しかし、そこは別のライオンの縄張りで父を襲っていたライオンは他のライオンに倒され、父と家族は無事に生還する。

感想

割とシンプルなストーリーで起伏の演出も少なかったように感じます。

どことなく「アフリカ讃美」映画に感じましたが、こういうのは増えそうですね。

個人的には「悪くない!」という感想ですが、もっとライオンを神々しく描いても面白かったんじゃないのかな?とか、他の動物をもっと見たかったかな?と思いました。

映画のテーマ

この映画はアニマルパニックというのがメインの演出ですが、根底にあるテーマは「アフリカ讃美」だと思います。

アフリカ出身の母と多分アメリカ生まれアメリカ育ちの父の過去が大きく影響しています。

特に癌で亡くなった母を気高く描いている感じがしました。

一番印象的だったのが、父と友人が夜に酒を飲んでいるときに「なんで葬式にこなかった」と友人を問い詰めるシーンで「彼女はニューヨークの四角いコンクリートに埋まりたくなかったと思う」というセリフですね。

確かに、アフリカ出身であれば、アフリカの広大な大地の糧になった方が良いのではないかと思います。

差別的な演出はなく、どことなく「ニューヨークよりアフリカが素晴らしい」と語りかけているように感じました。

グロ描写は?

はい、皆さんお待ちかねのグロ描写ですが、ほぼありません・・・。

アニマルパニックものでしかもライオンが主役なら血がドバーッとなったり内臓が飛び出したりというのを期待しますよね?

え?私だけですか?

今回は有名俳優を使っているということもあり、多分映画のターゲット自体も幅広い層を狙っていると思います。

なのでグロ描写は少ないです。

多分。

(正直、ホラー映画見過ぎてどのくらいが多くてどのくらいが少ないか分からなくなっています)

なのでその辺は期待しないでみてください。

この映画の楽しみ方

ではこの映画の魅力はどこでしょうか?

実はそれは難しい質問です。

ストーリー的なひねりは少ないです。

一番盛り上がるのは、ラストの父とライオンの一騎討ちを見ている他のライオンが「あれ、あいつ俺らのテリトリーに入ってんぞ?しかも、仲のいい人間を攻撃してやがる」みたいな感じで岩から降りてくるところ、鳥肌が立ちました。

「きたー!ライオン!王者!かっこいい!」

と心の中で叫びましたね。

しかも、父はそれがその別のライオンのテリトリーだと知っていてビーストライオンを連れ出したという頭脳プレーだったというのもナイスなポイントです。

一言言わせて

ここからはただただ個人的な内容です。

ストーリーの設定はよくある「親の不仲のせいで崩れている家族の再生の物語」なのですが、意外と娘は父を嫌っていません。

問題は父がなかなかなダメ男ということです。

もちろんストーリー的な必要悪なのですが、父親にイライラします。

娘たちを束縛する、口論する、謝罪して許してもらおうとする、パニックしながら「パニックするな」という、動揺しながらそれっぽい指示を出すだけ、などなど・・・。

でも、その父が最後には立ち上がってライオンと正面から向き合う。

ってのが魅力的なんだと思いますが、演出がちょっと薄い気がします。

リアルを追求したのか知りませんが、最後の一騎討ちでもっと見つめあったり音楽で盛り上がったり、奥さんを後ろに立たせて「あなたなら大丈夫」とか言って欲しかったです。

すみません、映画好きの戯事ですので聞き流してください。

個人的な「好き」

父親の友人のセリフで「君が出て行っても勝ち目はない、そういうデザインにはなっていないんだ」と言うのがあるのですが、これ英語的な言い回しですごく好きです。

人間VSライオン、それはライオンが勝つようにデザインされている、と。

人間は科学を使ったりいろんなことができますが、一動物としてだと100%勝ち目はない。

それを伝えるためのセリフでこれ以上かっこいいワードはないと思います。

そう、我々はライオンに勝つようにはデザインされていないのだ。

まとめ

見てよかったです!

アフリカの素晴らしさを伝える映画は「ゾンビ大陸 アフリカ」しか見たことがなかったので、もっと増えて欲しいですね。

密猟者をもっとこう無残に、なんと言いますが、残酷に・・・いやいや、これ以上いうとGoogleのセンシティブに引っかかるのでやめますが、グロ描写もっとください。

以上です。

この記事を書いた人

tetsugakuman

tetsugakuman

基本的にはダークな映画を好む。
スリラーバイオレンスホラーミステリーサバイバルSFアクションなど。