映画「ドクター・スリープ」ネタバレと感想 才能であなたは輝くのか?
ここでは映画「ドクター・スリープ」のストーリーや魅力について紹介しています。
あの「シャイニング」の20年後。
ドクター・スリープ
超能力バトルもの?
伝説のホラー映画「シャイニング」の続編製作に驚いた。
そしてそれが完成し、見る事ができる!
それだけでも最高じゃないですか!
で、ダニーはどうなった?
ストーリー
主人公は雪山のホテルでの一件(映画「シャイニング」参照)の後、誰とも口を聞かなくなった。
そんな主人公はやがて大人になる。
「何か」を見てしまう能力ゆえ、それに苦しみ、酒に溺れる。
そんな人生を変えようと彼は知らない街へ引っ越す。
酒も断ち、新しい友人を作り、新しい仕事に就く。
仕事はホスピス(終末ケアをする老人ホーム兼病院のようなところ)での勤務。
そこには猫がいるのだが、ある老人が猫がきたと騒ぎ出す。
主人公が猫をどかそうとすると「いや、そのままでいいんだ」と言う。
すると老人は「この猫は死がわかるようで、もうすぐ死ぬ人のところへ寄っていく。だから取り乱したが、とうとう私もその時がきたのだ」と語る。
しかし、それでも死の恐怖に怯える老人の手を主人公が取り、脳内に語りかける。
「・・・大丈夫、この先にも世界は存在しています、安心して眠ってください・・・」
驚いた老人はこう言う。
「恐怖が消えたよ、ありがとう。あなたはドクター・スリープだね。」
主人公の部屋には黒板があるのだが、ある日そこに「HELLO」と書かれている。
別の場所。
映画館で少女がおじさんと待ち合わせをしている。
それを見ている怪しい2人。
少女はおじさんに「眠れ」と念じるとおじさんは眠ってしまう。
さらに少女はナイフでおじさんの顔に傷をつけ、こう言う。
「あんたは残りの人生で鏡でこの傷を見るたびに『俺は少女が大好きだー!」と叫ぶ」
と言うと少女はおじさんの財布を取り、映画館を後にする。
その時、見ていた2人に声をかけられる。
危険を察知した少女はまた「眠れ」と念じるが効かない。
「あら、私には効かないわよ。」
逆に眠らされた少女は怪しい集団に拉致される。
彼らは少女を仲間に勧誘する。
怪しい集団は1人の女をリーダーに旅をしていた。
目的は、彼らの餌である「才能の煙」を吸うため。
才能のある人間を見つけては殺して、その才能の煙を吸うか、仲間にする。
ある時、彼らは野球少年を誘拐する。
彼は相手の考えが読めるため必ずヒットを打つ天才少年だった。
拉致し、恐怖に怯えさせ、ナイフで切り刻み、溢れ出る才能の煙を貪った。
その少年の心の絶叫を感じとった別の少女がいた。
彼女は圧倒的なパワーゆえ、遠くの情報をキャッチしたのだった。
殺される少年の思いを浴びてしまった少女は絶叫する。
その時・・・主人公の部屋の黒板が砕ける。
現れた文字は「MURDER(殺人)」だった。
少女は同じく強い才能を持った主人公に接触する。
「一緒に少年を探してほしい、ちゃんと埋葬してあげたい。」
一度は断った主人公だが、少女が集団から狙われていることを危惧し彼女を助ける事にする。
初めは殺された少年を見つけ、埋葬してあげ、彼の野球グローブを探すことから始める。
そして、グローブを触った集団の1人を見つけ、彼らの場所を特定する。
だが、同時に集団の女リーダーも少女を探し始める。
お互いがパワーを使う事で見つかり易くもなるのだ。
お互いがお互いの居場所を突き止め、罠を張り合う。
主人公たちは集団を森に誘い込み、銃で殺した。
しかし、別の場所で隠れていた少女が集団のナンバー2に連れて行かれる。
そのナンバー2も車を事故らせる事で排除。
残るは女リーダーと主人公と少女だけだ。
ただ、経験豊富な女リーダーとの対決では勝てないと判断した主人公はあのホテルに向かう。
作戦は「才能を喰らおうとするホテル(とそこにいる輩)に女リーダーの才能に食いつかせよう」というものだ。
その作戦は見事に成功した女リーダーは消えた、だが今度は少女と主人公が危ない。
少女はなんとか外へ逃げ出したが、主人公はホテルを燃やし、帰ってこなかった。
感想
まず、ジャック・ニコルソンが出てこない。
それらしき人物は出てくるのだが、ただの似ている人。
「シャイニング」の名場面を何箇所か再現しているが、毎度「あ、ジャック・ニコルソンじゃない」となってしまうので要らなかったのではないか・・・
しかし、評判も上乗なのは新たな世界観の広がりを見せたからでしょう。
今回も深読みしてみたいと思います。
①ドクター・スリープって何?
まずここですね。
「シャイニング」の続編が「ドクター・スリープ」ってどう言う事?
もちろん原作でもこのタイトルなのですが、意味をみていきましょう。
ドクター=医者
スリープ=眠る・死
直訳は死の医者だが、転じて「眠りの先生」と言う表現が日本語的には妥当だと思います。
ちなみに主人公は子供の頃、母に「ドック(=ドクター)」と言う愛称で呼ばれています。
これは日本で言うところの「先生」に相当します。
日本で自分の子供を可愛がって「先生」と呼ぶ人はいません。
馴染みはないのですが、海外では愛称を込めて「ドック」と呼ぶ事があります。
なので「眠り先生」と言うのはもっと砕けた表現で「眠りの大将」とかそういうイメージですね。
②才能を隠すか発揮するか。
この映画はほぼ全編「才能」に関して描いていると思いました。
才能とかパワーとか魔法とか、あの能力はなんと表現すればいいのだろうか。
まさに「シャイニング」光輝いている才能ですね。
主人公は才能がある故に友達ができず、それを隠して生きていきます。
まだ幼い少女は才能を発揮してはいけない場所でも発揮します。
でも、それがダメなんだと徐々に気づき始めてしまいます。
逆に、女リーダーは才能を発揮するために道を外れていき、同じような仲間と旅をする生活です。
どちらも「才能がありすぎると普通の世界では生きていけない」という同じ境遇に立っています。
興味深いのは、動物や昆虫にも才能があるという事です。
映画では「死を感じる猫」と「死を感じる蠅」「瞬間移動?する鹿」など色々出てきます。
さらに、才能を貪ろうとする人もいます。
あの集団は「仲間にするか殺すか」です。
正しい例えかわかりませんが、超斬新な商品を開発するベンチャー企業のような感じ。
仲間でなければ敵、ですね。
世の中は才能を受け入れません、拒絶します。
あのホテルは「よくわからない多勢」という感じがしました。
とにかく才能に群がって食い尽くし、終わったら捨てる。
才能ある人は大変ですね。
例えば、あなたは踊りの才能があるとしましょう。
あなたはどこでも踊りまくっていたのだが「それでは食っていけないぞ」と大人に嗜められる。
どうするか?
やめるか、新進気鋭の団体に属してみるか、趣味程度に続けるか、プロを目指すか。
まさに、映画の中の才能ある人たちはその選択を迫られます。
③続編としてどうでしたか?
主人公がダニーだった、ラストがホテルだった。
この程度の表現でよかったのではないかと個人的には考えています。
実は、過去の映像はなくてもよかたのではないか。
だとしても、繋がりを見せる部分は見事だったと思います。
ファンサービスもありましたが、ほとんどは新しいストーリーだったので楽しめたのではないでしょうか。
この超能力バトルもの、続編作れますよね?
是非、お願いします!
まとめ
風呂場の老女何回出てくるんだよ!
とか思ってしまいました・・・
ホラー映画も長い期間を経て続編を作る流れが出てきていますね。
作りすぎは良くないと思いますが。
個人的には女リーダーの造形がすごく好きでした。
この記事を書いた人
tetsugakuman
基本的にはダークな映画を好む。
スリラーバイオレンスホラーミステリーサバイバルSFアクションなど。